//g.n.g/Kazuki Sugimoto

g.n.g/Kazuki Sugimoto

Profile
1999年、東京・日本橋生まれ。字を書くことが苦手な反面、絵を描くことで表現の方向性を見出す。g.n.gという名前の由来は言語障害=字NGだそう。現在は、創形美術学校ファインアート学科でアートとデザインを学びながら、アルバイト先のカフェで作品を制作・展示中。

g.n.g/Kazuki Sugimotoさんの”マイストーリー”とは?

クリエイティブな仕事をしているクリエイターやアーティスト。現在の生き方に至るまでの原点やターニングポイントはどのようなものなのでしょうか。

文字が書けなくてもペンは握り続ける

小さい頃、学校行くのが嫌いで家で絵ばかり描いてました。特に読み書きが苦手で、全く勉強しなかったんです。それでもペンを握って絵を描いている……そんな毎日を過ごしていました。

親が旅行好きで小さい頃からハワイやグアム、オーストラリア、サンフランシスコ、ラスベガス、セドナ、サイパン……といろいろな国を旅行しました。いわゆる観光がメインで、特別美術鑑賞をしたという記憶もないんですが、その土地の景色などから絵を描く際のイメージソースなど影響を受けている部分はあるかもしれません。

2018年にロサンゼルスに行った際は、絵を描いて生きていくと決めていたので美術館などに足を運びました。が、著名な画家などにあまり興味はなく、アーティスト情報はSNSから見つけています。Instagramで見つけた海外のアーティストのアカウントを定期的にCheckしている感じですね。

グローバルに広げるより、地元に根付かせたい

現在のカラフルでPOPな色彩のテイストは、ストリートカルチャーが好きなところから派生しています。乗りもしないのに父親が持っていたスケートボードが家にあったんですよね。ある日それを持って外に出かけたら、新しい友達ができたり人脈が広がっていって。もし、それが無かったら家にこもってひたすら絵を描くような内向的な人間になっていたはず。

仕事として絵のオファーをいただいたこともないし、苦労というような経験はまだないと思います。最近は職場でいい意味で切磋琢磨できる存在ができたことで、創作の刺激になっています。

また、地元愛が強いので、「地元にこんな奴いたんだ!」って思ってもらいたい。世界に名を轟かす、ということよりまずは、自分の創作したもので、身近な人たちを感動させたいんです。渋谷に出かけるのもいいけど、日本橋だって面白いんだよーっていう想いは常にありますね。

コーヒースタンドでg.n.gとしての活動をスタート

勉強もしないで地元で遊んでいるとき、友達に紹介してもらったカフェで、絵を描いてますと話したら、その場で作品を見てもらえることになって。そのまま絵を飾ってもらえる……なんてことはなく、まずそこで内装のお手伝いをすることになり、それから信頼関係ができて、そこで開催されるイベントのコンセプトに合った絵のオファーをもらったんです。

人に頼まれて何かを描くというより、「自分の個性をキャンバスにぶつける」という自由な手法が性に合ってるので、コンセプトありきの絵を描くことに戸惑いましたが、できあがったときのリアクションを受けて、こんなふうに周囲の人と自分の作品が触れ合うチャンスをもっと作っていきたいと思うようになりました。

g.n.g(ジーエヌジー)という名前が生まれたのもこのときですね。「言語障害」の略なんですが、小さい頃に言葉でつまずいた経験から、言葉に出さなくても絵で表現できる、そんな意味を込めて命名してもらったものです!

美術の評論家からコメントをもらうより、ストリートに精通している人にただ「カッコイイ」と言ってもらえるほうが自分にとっては大きな収穫。「この線の描き方は○○っぽい」とか「○○年代の色調」とか歴代のアートに比較して自分の作品はどうかなんて正直どうでもいい。単純にカッコイイって感覚を、共存するカルチャーの中で伝えられたらいいなって思ってます。

ストリートカルチャーに寄り添うプロダクトデザインが夢

これからもキャンバスに絵は描き続けますが、もっとストリートカルチャーにリンクしていきたいです。そのまま絵を飾るような美術鑑賞としての展示の手法ではなく、服だったり、何かプロダクトとして日常生活をともにできるようなモノに落としこみたいですね。ファッションブランドのコラボレーションなども視野に入れて、グラフィックデザインなどもスキルを磨いていきたいと思ってます。